食事から習慣まで 好調な体をつくる本特集

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「運動・減塩はいますぐやめるに限る!」大脇幸志郎著

 特にどこかが悪いわけではないが、なんとなく調子が悪い、というのがどうも不愉快である。「絶好調!」とはいかなくてもいつも好調でいるために、即実践できる健康本を紹介しよう。



 医師から「体重を減らしましょう」と言われるのは日本人の4%しかいない。それなのに運動、ダイエットでやせようとする人は多い。だが、運動で消費するエネルギーはほんのわずかで、すぐ元に戻ってしまう。食べる量を減らせばやせるが、ダイエットを続けても効果は持続しない。

 また、健康のために減塩食にする人もいるが、おしなべて日本人は塩の摂取量は多いが、長生きである。減塩で下がる血圧はたった7㎜Hgで、血圧を下げても心筋梗塞や脳卒中の予防効果はない。健康のためには運動や減塩より糖質制限が必要で、その場合、油は減らさないことがポイント。肉をいっぱい食べて満腹状態にすれば、パンなどの糖質を食べずにすむのである。

 ちまたにあふれるデタラメな「健康情報」を否定し、塩や油を使ったおいしい料理を食べて元気に生きることを提唱する。

(さくら舎 1760円)

「疲れて『もうムリ!』と思った時にすぐ動ける!トリガー体操」小池謙雅著

 健康のためにはリラックスが一番といわれるが、むやみに体をほぐせばいいわけではない。「余分な緊張がリリースされて不調が改善されつつも、体の覚醒度は高い」という状態を作り出すのがトリガー体操である。この体操はトリガーポイントによる「筋膜リリース法」と「腹式呼吸法」で「動ける体」へと変えることができる。

 まず腰に両手を当て、腰骨のてっぺんから親指を腹側に滑り込ませる。残りの4本の指は背中側に当て、人さし指と中指を曲げて第2関節で圧迫する。肘を少し前に向けて、腹式呼吸で鼻から5秒間息を吸い込む。次に5秒間口から息を吐きながら上体を倒し、トリガーポイントを圧迫する。息を吐ききったら指をゆるめてまた息を吸い、汗をかくまで繰り返す。

 トリガーポイントを押すだけで腰痛や肩こりに効果がある即効メソッド。

(文藝春秋 1430円)

「低GI食」西剛志著

 GIとはグリセミック・インデックスの略で、食品に含まれる糖質がどれくらい血糖値を上げるかを数値化したものである。GIが低いほど食後の血糖値の上がり方が緩やかになり、危険な「血糖値スパイク」を起こしにくい。玄米のように精製されていない炭水化物は食物繊維が多いため、白い食品より黒い食品がオススメ。例えば精白米のGI値は76だが玄米は62、真っ白い食パンは89だが黒いライ麦パンは51である。 

 野菜ではイモ類が高GI食品である。炭水化物に含まれているレジスタントスターチは冷めると結合が強くなり、消化しにくくなるので血糖値が上がりにくい。食事後に眠くなったり集中力が低下するのを防ぐためには、うどんより蕎麦、食パンよりライ麦パンのサンドイッチを選ぶとよい。

 集中力、記憶力を上げる食事のアドバイス。

(アスコム 1430円)

「マスクをするなら『声筋』を鍛えなさい」渡邊雄介著

 コロナウイルス予防のために私たちは前代未聞の「声を出さない」生活をしているが、声筋は使わないと衰えて生命に関わる事態を招く。高齢者ほどリスクは大きい。今まで参加していた社会活動がストップすることで声がかれたり、十八番の歌がいつものキーで歌えなくなったら要注意だ。

 声筋が衰えると転びやすくなったり誤嚥性肺炎を起こしやすくなる。一息で「あー」と声を出して、成人男性だったら30秒以上続かなかったら衰えていると考えよう。口と舌を大きく動かして「ぱ・た・か・ら」と発声し、徐々にスピードアップしていくと滑舌がよくなる。朝食にはヨーグルトやスープなど水分の多いものを取る、肩首ストレッチや唇ストレッチで筋肉をほぐすなどの対応策を取ることで予防できる。

 コロナ時代の「見えない不調」の予防法を音声言語医学の医師がアドバイス。

(晶文社 1320円)

「シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング」デイヴ・アスプリー著 安藤貴子訳

 体重136キロを超えたことがある著者は、あらゆるダイエット法に失敗した。あるとき、本当の飢えと向き合えばクッキーやポテトチップスを食べたいという衝動から解放されるのではないかと考え、ファスティング(断食)を試してみることにした。

 初心者は“16対8ファスティング”から始めるといい。これは1日のうち16時間は断食し、それ以外の8時間に食事を取るというサイクルを繰り返す断食法である。夕食を取って翌日の朝食を抜き、午前11時にファスティングを終える。初めは低血糖につきものの強い空腹感やめまいを覚えるが、筋肉中のグリコーゲンを使い果たすと体内に蓄積されていたタンパク質からエネルギーを確保するようになる。これに慣れたら、次は1日1食のファスティングに進む。

 アメリカの実業家が実践した断食法。

(CCCメディアハウス 1870円)

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