「散歩道の図鑑 あした出会える野鳥100」柴田佳秀文 菅原貴徳写真 piro piro piccoloイラスト
都会にも目を凝らせば野鳥はいるが、街路樹や電線で羽を休める野鳥を見極めるのはなかなか難しい。スズメなどお馴染みの鳥も、よく似たホオジロと並んだら、初心者は判断に迷うだろう。
そんな初心者でも野鳥を簡単に見分けることができるようになる図鑑。
鳥の識別にはコツがあり、まずは収録された街や公園で出会える機会が多い野鳥100種類を覚えてしまえば、その先は鳥の識別がどんどん楽しくなってくるという。
とはいっても、写真を眺めるだけで鳥の特徴を覚えるのは難しい。そこで本書では、それぞれの鳥にその鳥を一言で表すキャッチフレーズを添付。
「チュンチュン鳴く身近な野鳥代表」といえば、スズメという具合だ。
うぐいす餅のような黄緑色の羽色からウグイスと間違えられがちなメジロは「花の蜜が大好物 白いメガネの小鳥」。目の周りが白いところで見分ければ間違えない。
一方のウグイスは「声は大きいけど 恥ずかしがり屋」。というのも、いつもヤブの中にいて姿が見えにくいので鳴き声が有名なわりに姿の知名度はいまひとつ。そこで、ウグイスはくちばしから尾羽まで水平になる水平姿勢が典型的なポーズであるところも見分けのポイントになるとアドバイスする。
キャッチフレーズとともに、こうした特徴や分布、生息環境なども解説。
ほかにも例のホオジロなら、「スズメみたいだけど 顔が白黒」、山に行かないと見られないオオルリだが、5月の大型連休の頃には市街地の樹林公園でも出会うチャンスがあるので「ゴールデンウイークが狙い目 幸せの青い鳥」、鳴き声が「チョットコイ」と聞こえるコジュケイは「『チョットコイ』と呼ばれていくと」など。
なるほどこれなら覚えやすい。散歩やハイキングの楽しみが増えそうだ。
(山と溪谷社 1760円)