「古代エジプト動物誌」酒井傳六著

公開日: 更新日:

「古代エジプト動物誌」酒井傳六著

 古代エジプト文明で大きな役割を果たしていた動物たちにスポットを当て、さまざまな視点から論じた歴史テキスト。

 トップバッターは猫。古代エジプト人が野生猫を飼いならして家猫とした時期には諸説あるが、著者は前1600年ごろの中王国時代説をとる。第12王朝の下エジプトで農業が飛躍的に発展。畑を荒らし収穫物を食い、住居を壊すネズミに頭を悩ませた古代エジプト人は、猫がネズミの天敵であることに気づき、野生猫を手なずけるようになったという。一方で闇夜を恐れていた当時の人々は、闇でも目が光る猫を神格化したそうだ。

 以降、さまざまな種類が飼われていた犬や崇拝の対象だったヘビをはじめ、ライオンや黄金虫、ワニ、ハゲワシなど。動物との関係から当時の社会や宗教観まで浮き彫りにする。

(講談社 1441円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」