なべやかん明大替え玉受験事件
しかし、この釈明はあまりに不自然だった。まず見知らぬ紳士が突然そんな申し入れをするだろうか。もうひとりの替え玉合格した学生の親は「仲介役」に裏金1000万円を払っていて、なべが受験料18万円だけというのも不審を呼んだ。
23日、なべは再度会見を開く。今度は涙を流しながら「あれから毎日ずっと考えていました。人の善意に甘え、本当に親バカでした」と頭を下げて「初対面の紳士」というのは作り話で、「私にとって大事な友人」で名前を言うことができなかったとわびた。ただ、裏金については「ぼくのために善意で動いてくれたんだと思います」と否定した。
明大替え玉受験はこの事件をきっかけに警察の捜査が入り、84年から90年にかけ、20人以上が組織的な替え玉受験で合格していたことが判明。替え玉受験組織の元同大野球部監督、元相撲部監督、大学事務職員、替え玉受験者を手配する学生たちが逮捕された。これを受け、当時明大の教授だった栗本慎一郎氏が「大学の腐敗と学生の怠惰に抗議する」として辞任した。
一方、事件発生時、知人のマンションに身を隠していた長男は大学を諦め、やはり明大OBで父と仲の良かったビートたけしを頼り、たけし軍団入り。6月14日の「北野ファンクラブ」で芸能界デビューした。「なべ」の語呂と明大第2商学部が「夜間」だったことから芸名は「なべやかん」となった。