“脱原発”弁護士が自らメガホン 映画「日本と原発」の説得力

公開日: 更新日:

 幾多の“脱原発映画”の中で、本作が異彩を放つのは何よりこのケンカ上手にある。一般に、反原発ネタの映画は出演者やスタッフ、資金はもちろん、公開劇場を探すことすら困難とされる。事実、本作でも河合監督は数々の職業監督に断られ、出資予定者には途中で逃げられるなど辛酸をなめたという。確かに今後もあらゆる企業と付き合っていかねばならぬ専業の映画監督では、とてもここまでの“ケンカ”はできまい。数々の原発訴訟でリアルに闘う当事者だからこそ、ここまでやれたわけだ。

 劇中音楽は、かつて佐村河内守のゴーストとして世間を騒がせた新垣隆。監督たちの心意気に共感した彼が、映画のラストを渾身のスコアで盛り上げている。

(映画批評家・前田有一)

「日本と原発」Japan and Nuclear Powers
 11月8日からシネマート六本木で公開(2014年/日本/カラー/137分)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議