阿川泰子さんの「ジャズ歌手」人生支えた五木寛之氏の“至言”

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 それからは先生のご本を何冊も読んだり、パーソナリティーをしていらっしゃったラジオ番組を聴き、その番組の公開録音にも何回か行ったりしました。終了後、楽屋へうかがったら、「来てくださってありがとう」とおっしゃってくださいました。私のクリスマスディナーショーに2回、来ていただいたこともあります。

 デビューしてしばらくして、先生が「あなたは女優さんを経験したので、ほかのジャズ歌手にはない表現力が加わったんでしょうね」「あなたの歌声は映画のような表現力を持っている」と、すごく褒めてくださったんです。その言葉は今でも宝物。とっても力をいただきました。

 私は女優をしていたのに、「声がハスキーだから」とジャズを歌うことを勧められ、軽い気持ちで歌い始めたんです。湘南出身で洋楽をたくさん聴いて育ったので、ジャズは自然に覚えて歌えたんですね。最初のアルバムが思ったより売れたので、責任や恩を感じ、その後はジャズに邁進してきましたが、専門的な勉強をしたわけではありません。そんな私が歌ってこられたのは、先生のお言葉が力をくれたからだと思っています。

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