大河「真田丸」脚本 三谷幸喜の双肩にかかるNHKの捲土重来
役者らが絶賛する「三谷脚本」は一体、何が特別なのか。制作統括の屋敷陽太郎氏はこれまで読んできたホンと比べ、「決してト書きが多いわけではない。ただ読んだ印象として、登場人物一人一人の性格が分かりやすい。演じる俳優さんの顔が浮かぶとともに、個々のキャラクターが明確に描かれている」と話す。放送中の「花燃ゆ」が大コケしているNHKとしては、来年の大河こそはと捲土重来を期しているところだろう。
作家の麻生千晶氏はこう言う。
「人間を描くというのは古今東西、普遍的なものであり、ツボを押さえていれば結果(視聴率)は必ずついてきます。ツボとは、必然的に描かねばならない風俗はきちんと描く。最低限度の所作や様式美は守る。そして若年層に媚を売り、長年の大河ファンを欺く右顧左眄するような行為だけはするなと申し上げたい。日本が蠢いた戦国時代を舞台に三谷さんほどの才筆ならば、大層エネルギッシュな人間ドラマをお書きになるでしょう。ただ三谷さんは長いものに巻かれる方ともお見受けできる。物事を斜に構えて見たり、批判精神が不足しているようにも感じるのです。『真田丸』ではそのあたりも意識して描くと物語に深みが増すのでは」
この日の会見でも「西日暮里壁新聞」なる架空の新聞記者を名乗り、“乱入騒動”を巻き起こした三谷氏。大河の威信は彼の双肩にかかっている。