セイン・カミュを日本酒好きにした無愛想店主と地方ロケ
そういう店なので、お酒も厳選された希少な銘柄しか置いてない。にもかかわらず「日本酒って翌日、残るでしょ?」って、軽い口調で言ったから「おまえは日本酒を知らない」って怒られましてね。「まず、黙って飲んでみな」と差し出されたのが島根・出雲の「十旭日熟成酒」です。
一口飲んで驚きましたね。口当たりがいい、香りがいい、ふくよかなうま味、余韻……。それまで飲んできたいろんな添加物の入った日本酒とまるっきり違いました。しかもその晩はヒデさんにすすめられるまま、かなり飲んだのに、翌朝はケロッとしてた。
それからですね。純米酒を中心に仕事で地方に行くと地酒を試すようになったのは。すると、おいしいお酒が実に多いことがわかった。以来、地方ロケが楽しみになりました。ついつい飲みすぎちゃうのが玉にきずなんですが、地ビールの後は地酒、時には地ワインも挟んでという飲み方が増えました。
■ハマっているのは新潟の酒
ここ何年か新潟の仕事が続いています。酒どころだけに、おいしいお酒がたくさんある。感激したのは3年ほど前に新潟のテレビ局の取材でお邪魔した、佐渡の酒蔵で飲んだお酒。アルコール度数46度とウイスキー並みの高さがあって、オンザロックで味わう「越後武士」という銘柄です。