難病と闘う中高年の星 44マグナム梅原達也の“絶唱”ライブ
■「もっと動き回れないとダメなんだ」
音楽ライターの土屋京輔氏が言う。
「今年4月、電極手術を終えて初のステージでは、予想していた以上の復調ぶりに驚かされました。ところが終演後の楽屋では『もっと動き回れないとダメなんだ』と何度も口にされていたんですね。涙なしには聞けない言葉でしたが、今日のライブでは歌声にしても何にしても、また力強さが戻ってきていた。おそらくこちらの想像を絶する過酷なトレーニングを重ねているのだと思います」
44マグナムはメジャーデビューから来年35年のハードロックバンドで、X JAPANなど、ビジュアル系バンドの先駆けとしても知られる。日本のロックシーンに大きな影響を与え、この日も後輩ミュージシャンが多数足を運んでいた。
「あまり公にはしていませんが、梅原さんを応援しようと、ギャラなしで共演するミュージシャンが少なくないんです」(芸能プロデューサーの野島茂朗氏)
梅原はこう言った。
「病気になったことで、いろいろな人に出会い、たくさんの勇気をもらいました。ありがとう。中途半端なバンドかもしれないけど、35年経っても44マグナムを聴いてくれてありがとう」
来年4月には東京と大阪でライブを行う。何度倒れても立ち上がる往年のロックおやじは、頑張る中高年たちの星である。