昇太兄さんが悪魔の囁き「落語家がこまつ座に出るなんて」
大谷翔平選手の二刀流が話題になっているが、落語家でも新作落語と古典落語の二刀流を駆使する人気者がいる。春風亭昇太、立川志らく、そして、柳家喬太郎だ。その喬太郎が紀伊國屋サザンシアターのこまつ座公演、「たいこどんどん」(5月5~20日)に幇間(たいこもち)役で主演する。今度は落語と芝居の主役の二刀流に挑むわけだ。そこで、喬太郎に大いに語ってもらった。
まずは、出演に至った経緯から伺おう。
「昇太兄さんから電話がありまして。『今度ラサール石井さんがこまつ座公演の演出をすることになって、君に出ないかと言ってる。落語家がこまつ座に出られるなんてめったにないよ。生涯ないかも』と、まるで悪魔の囁きのように勧めて下さいました」
昇太と親しいラサール石井は、近年演出家としての評価が高い。その人が喬太郎に白羽の矢を立てたのである。
「芝居にはこれまで3度出てますが、主役とは思ってませんで」
インタビューしたのは芝居の稽古日だった。