「レイルウェイ 運命の旅路」拷問を描いた“反日”映画か?

公開日: 更新日:

2013年 ジョナサン・テプリツキー監督

 第2次大戦中、日本軍の捕虜になった英国人の苦悩を描く。主人公のE・ローマクスの実体験を映画化した。

 1988年、退役軍人のローマクス(コリン・ファース)は看護師のパティ(ニコール・キッドマン)と結婚。新婚生活を始めるが、彼には“持病”があった。若いころの恐怖体験のせいで絶叫し乱暴なふるまいをしてしまうのだ。パティが元戦友のフィンレイに何があったかを聞くと彼は重い口を開く。

 大戦中の42年、ローマクスらは日本軍の捕虜になり、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設を手伝わされた。絶望的な日々の中、ローマクスはラジオを作製。ドイツ敗戦のニュースに希望を見いだす。ところが日本の憲兵にラジオを発見され、スパイ容疑で厳しい尋問を受ける。戦争は終わったが、あのときの憲兵隊員を忘れられないのだ。

 そんなおり彼はフィンレイから、その憲兵が永瀬という名で、あの建設現場にいると知らされ、「復讐しろ」と助言されるのだった……。

 妻を得た幸せな暮らしに突然さしはさまれる恐怖の映像。ローマクスは戦友にも自分がどんな拷問を受けたかを語らず、トラウマと闘ってきた。拷問部屋は映画「1984」の「101号室」のように不気味だ。彼が建設現場を再訪して永瀬(真田広之)と向き合い、復讐心と理性の間で逡巡するのが物語のミソだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」