「ミッドウェイ」勝つはずのミッドウェー海戦でなぜ負けた
1976年 ジャック・スマイト監督
太平洋戦争の分岐点となった海戦を描く。
真珠湾攻撃でダメージを受けた米海軍は、次の日本の標的がどこなのかを探っていた。ニミッツ大将(ヘンリー・フォンダ)は日本軍がミッドウェー島を狙っているとの情報を得る。
一方、連合艦隊司令長官・山本五十六(三船敏郎)はミッドウェー島攻撃を決行するよう軍司令部を説得。42年6月、山本の命令を受けた南雲忠一中将は米軍をしのぐ戦力で爆撃を開始するが、敵の指揮官スプルーアンスに待ち伏せされるのだった。
ミッドウェー海戦を盛り込んだ邦画は日本軍のみの視点だが、本作は日米の同時進行。そのため米軍の用意周到ぶりが分かる。ニセ電報を日本軍につかませて敵の攻撃目標を察知。それでも「日本軍の陽動作戦ではないか」と疑う。戦闘ではしつこいほど索敵機を出動させる。
これに対して、日本軍は「敵機動部隊は来ない」と油断する。しかも、索敵の一機は30分遅れで発進。この機の守備範囲に敵がいた上に、後発の索敵機は無線が故障する。
さらに南雲が判断ミスを犯す。キーワードは「雷・爆・雷」だ。当初は攻撃機に魚雷を抱かせていたが、ミッドウェー島への第2次攻撃を要請されて陸用爆弾に転装。そこに敵発見と聞いて魚雷に付け替え、時間をロスしてしまう。護衛機は敵機を撃墜するが、真上から来た攻撃機によって空母の赤城、加賀、蒼龍が炎上。飛龍も海に沈む。