著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

末期がんで逝った父・三郎 唐沢寿明が演じたモデルと晩年

公開日: 更新日:

 さて、唐沢演じる古山三郎。モデルは江戸時代から続く老舗呉服店「喜多三」の8代目店主・古関三郎次という人物である。名前からわかる通り三男だが、長男と次男が早くに亡くなったため、あとを継ぐことになった。

 とにかく、この頃の喜多三はものすごく景気がよかったらしい。新しもの好きの三郎次はドラマでも描かれている通り、東北で2台目というキャッシュレジスターを購入。まだ高価だった蓄音機も買い入れ、民謡や浪曲から西洋音楽まで、さまざまなジャンルのレコードをかけていたという。長男(古関裕而)がのちに作曲家として羽ばたくのも、こうした環境があったからだろう。

 だが、栄華は長くは続かなかった。第一次大戦後、インフレが襲い、呉服がまったく売れなくなったのだ。さらには、借金の保証人になっていた知り合いが夜逃げ。喜多三は事業を大幅に縮小し、使用人も全員、解雇するしかなかった。

 三郎次は次男の浩之(ドラマでは浩二)に経営を任せ引退。しかし、まもなく昭和恐慌が襲い、喜多三は存続の道を完全に断たれた。晩年の三郎次は趣味人として生き、能楽をうたう日々だったという。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」