中国美女が耳元で悪魔の囁き 泥酔した僕はATMで全額を…
客に気遣いが出来る最高の店だ。僕より先に飲んでいた中年の客は、あまりの楽しさで、BGMのジャズに合わないタテ乗りで踊っている。僕も彼女と談笑しながらお酒を味わう。やはり彼女は僕が想像していた通りのよい娘だ。中国の家族は貧しく自力で稼ぐしかないらしい。それを聞いて僕の思いも強くなる。4回延長したかな。かなり酔った。そしてお会計。……3万円!? ワンセット3000円のはずじゃ……でも、楽しかったし、これくらいは、キムタク同様「誤差なし!」。今日の僕には余裕がある。何しろ僕には「CR新海物語」で得た2万円が……足りない!
ATMで下ろすしかない。千鳥足の僕だけでは不安らしく、彼女が付き添ってくれてなんとか下ろせた。と、覚えてるのはここまでで、気が付いたら僕は路地裏に座っていた。
帰ろうにも無一文なのでお金を下ろそう。けど、下ろせない。え、ウソ!? 口座に11万円あったはずなのに残高は0円。何度下ろそうと試みても0円。なぜだ!? まさか彼女にやられた? 彼女に限ってそんなことはない。だってあの奇麗な瞳!
上野警察署でATMの防犯カメラの画像を見せてもらった。警官が「内間さん、こんな幸せそうな顔で下ろしてるんじゃ、犯罪の立証は無理ですね」。確かに満面の笑みの僕と彼女の右半身の姿が……。