「麒麟がくる」識者の評価 新たな光秀像と裏切りのラスト
全体として、今までの「戦国ドラマ」とは違うタッチだったことは、時代劇評論家のペリー荻野氏も認めるところ。
「本能寺の変の後、秀吉に討たれる光秀の壮絶な最期に期待しましたが、それはあえて描かなかった。天下取りを巡って血みどろの戦いが繰り返されるばかりではなく、平和の象徴であるという『麒麟がくる』というタイトル通り、ファンタジーの要素を強めに光秀が描かれていた。令和の光秀は、爽やかで平和への夢や希望を持っている。いつもの『戦国モノ』とは違った新しさがありました」
その評価は分かれるところだろうが、ともあれ、帰蝶役の沢尻エリカの薬物逮捕で放送開始が遅れ、さらに新型コロナによる約2カ月の中断を経て、越年しながら予定の全44回を完走。アクシデント続きで打ち切り説も囁かれた今回の大河が、満身創痍でも最終回を迎えられたことは、主演の長谷川にとって大きな自信と実績になったはずだ。