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船山基紀編曲家

1951年、東京都生まれ。編曲家。デビュー作は中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」。昨年死去した作曲家・筒美京平と組んだ作品が一番多く、沢田研二、渡辺真知子、田原俊彦ら数々のヒットを飛ばした。昨年12月に編曲を手がけた作品を収録した「船山基紀 サウンド・ストーリー」(ソニー・ミュージックダイレクト、CD4枚組72曲)をリリース。

オリジナルに沿ったアレンジで“筒美京平の世界”コンサート

公開日: 更新日:

大橋純子さん、庄野真代さんら出演者は総勢30人

 出演者の中の1人に、大橋純子さんがいます。彼女とはヤマハがポプコン(ポピュラーソングコンテスト)をやっていた頃に知り合ったんですよ。昔は譜面だけの審査というものがあったんです。その審査のために歌い手が必要で、大橋純子さんに歌ってもらうことになったんです。大橋純子さんに歌ってもらうと、どんな曲でも仕上がりがよくなるんですよ。彼女の歌のうまさと素晴らしい声のおかげなので、結局、毎回歌ってもらっていましたね。

 ちょうどその頃、大橋さんがバンドを組むという話があって、大学でサックスを吹いていた僕がなぜか初代のメンバーになっていました(笑い)。アマチュアバンドでしたが、とても気持ちのいいメンバーで楽しかったですね。その後彼女はソロデビューし、京平先生が作曲した「たそがれマイ・ラブ」が大ヒットします。あれから何十年もご無沙汰しているので、コンサートで再会できるのが楽しみです。

 庄野真代さんもヤマハの頃のお仲間です。庄野さんといえば「飛んでイスタンブール」ですね。あの頃は民族的なものがはやっていて、アレンジするにあたり京平先生の提案で、ブズーキというギリシャの楽器を使いました。エキゾチックな雰囲気にぴったりだったと思います。先生は、ブズーキの音をとても気に入られて、のちにお書きになる「魅せられて」でも使っていらっしゃいます。

 次作の「モンテカルロで乾杯」もヒットしましたが、「飛んで――」は作詞・ちあき哲也、作曲・筒美京平、編曲・船山基紀のトリオです。公私ともにお付き合いのあった3人で手がけたヒット曲です。(つづく) 

【連載】船山基紀 ヒット曲の裏側 編曲家の仕事術

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