「男系男子」にこだわる安倍晋三氏ら守旧派の無理難題を天皇家だけに強要するのは酷
要するに、養いきれないので子供を坊主にしたのである。寺院にすれば、天皇の血を継ぐ皇胤がいることで名誉になるし、宮家にすればお寺から経済的なサポートが受けられるというわけだ。
幕末の伏見宮家もそうだった。当主に30人以上の子供がいたから大変だっただろう。この子供たちを京の寺院の門主にしたのだが、明治維新が成って皇室の天下になると、オレたちの天下だといわんばかりに、出家先から還俗して次々と新たに宮家を立てたのである。つまり、坊主から親王になったというわけだ。
明治政府も親王家4家だけでは心細いから「1代だけならいいよ」と認めたのだが、尊王の明治政府が安定してくると「ずっと宮家でもいいよ」となった。こうして伏見宮の系統だけが残ったというわけだ(小田部雄次著の「皇族」参照)。つまり、旧宮家というのは、そういうものなのだが、安倍前首相や高市政調会長ら守旧派勢力はなぜか、この旧宮家の復活にこだわり、女性宮家創設や女系天皇制には強く反対している。