夏の甲子園で女子アナの実況中継はなぜないの? TV局のジェンダーフリーは看板だけか
熱戦続く甲子園・高校野球──。しかし、女性アナウンサーの実況中継はテレビもラジオもない。アルプスリポートは各校の地元放送局の女性アナが多かったりするが、メインの実況と解説は男性ばかりである。パリオリンピックも、開会式・閉会式をのぞけば、全競技を男性アナが担当していた。女子の新体操やアーティスティックスイミングでも、おじさんアナが「すばらしい! 美の競演です」なんて似合わないことを叫んでいたのだ。
なぜ女性アナのスポーツ実況はないのか。実は、まったくないわけではない。NHKで西東京大会決勝の「日大三高×早稲田実業」を実況したのは澤田彩香アナだ。去年は甲子園でも、ラジオだが2試合を担当した。秋田朝日放送の高田美樹アナも、去年に続き秋田大会の金足農業戦などを伝えている。
■女性アナの実況にはバッシングがひどかった
過去には、赤江珠緒アナも朝日放送時代に、テレビで甲子園の実況をやった。それも伝説の逆転試合。作詞家の阿久悠が「甲子園の詩 敗れざる君たちへ」で取り上げた1999年の「新湊×小松」の一戦だ。オリンピックでは1996年のアトランタ大会で、有森裕子が銅メダルとなった女子マラソンを実況中継したのはテレビ朝日の宮嶋泰子アナだった。