夏の甲子園で女子アナの実況中継はなぜないの? TV局のジェンダーフリーは看板だけか
「大変な話題になったのに、甲子園もオリンピックも、以来、女性アナのテレビ実況はほぼゼロです。理由はバッシングがひどかったんです。毎日新聞や東京新聞でさえ『女の声でうるさい』『場違いな形容詞と身勝手な感嘆符』と散々でした。週刊誌の中には『女が選手を呼び捨てにするのはケシカラン』なんていうのもありました。これでテレビ局はすっかり萎縮してしまったんです」(メディアアナリスト)
しかし、サッカー中継で「ゴーーール」とやたら絶叫したがる男性アナや、敗れた高校を「球児たちの夏は終わりました」と情緒的に繰り返すだけの男性アナなどは、スポーツ中継に向いているとは思えない。
「いまどき、女性アナの実況に視聴者も違和感なんかありませんよ。むしろうるさくなくて聞きやすいと高評価です。ところが、テレビ局は実況のできる女性アナを育てようとしていません。ニュースやナレーションの原稿を読むのと違って、スポーツ実況はアドリブと瞬発力が基本ですから、場数と知識が半端なく求められます。一人前になるまで時間がかかるんです。いまだに放送業界は女性アナは若いうちが華なんて意識が強いから、スポーツ中継の経験を積ませるより、若いうちにバラエティーなどで使おうとします。スポーツ中継志望の女性アナがいても、経験を積むチャンスがないんです」(前出のアナリスト)