松村邦洋 東京マラソンで倒れ一時心肺停止
だが、“先手必勝”という気持ちから、速いペースで飛ばしすぎてしまい、10キロをすぎる頃から走り方が急におかしくなる。同じく出場していた安倍首相夫人の昭恵さんに「松ちゃん」と声をかけられてもつらそうな顔をするだけ。ドクターランナー(いざという時の救護のためにランナーとして参加している医師)が異常に気づいて伴走を始めた。
スタートから2時間半後の11時35分、14・7キロ地点でストレッチをしようと中央分離帯の柵に手をかけた。しかし、松村はそのまま崩れるように倒れ落ちた。
その瞬間、ドクターランナーが携帯していたマスクで人工呼吸。ボランティアの救命士2人が駆けつけ、2回にわたってAEDで電気ショック、一時は停止していた心臓が再び動き始めた。10分後に救急車が到着して病院に搬送。ICUでカテーテルによる治療などを受け、松村は意識を取り戻した。現場で対応したドクターランナーは「彼は素直で真面目な人だから、声援に応えて頑張りすぎ、オーバーペースになったことが倒れた原因だと思います」と語った。
4月3日には無事に退院。石原都知事(当時)に「あんなデブは出ない方がいいんだ。本当に人騒がせだよ」といわれたが、退院わずか3時間半後に会見を開き、麻生首相(当時)、ビートたけしなど怒涛のモノマネで完全復帰をアピールした。その後、松村はライブの出ばやしを「六甲おろし」から桑江知子の「私のハートはストップモーション」に変えて笑いを取った。