「歯周病」対策が肝臓がん予防につながるのは本当なのか

公開日: 更新日:

 歯周病がナッシュにつながるとは、これまでどの医師も考えていなかったという。結束医師が話す。

「肝機能の数値が改善しない患者さんが、たまたま歯周病が判明して治療を受けたら肝機能の数値が下がったのです。その体験談が歯周病とナッシュの関係に注目するきっかけになりました」

 もともと、腸内に存在している体に悪さをする細菌が血管を介して肝臓に至り、肝炎を引き起こすことは指摘されていた。ナッシュの患者の唾液を調べると、歯周病菌の中で最も悪性度の高いギンギバリス菌が見つかった。鎌田医師によれば、健常者と比べてナッシュの患者では、感染率が約2倍高かったという。

 つまり、腸内の細菌が肝炎を引き起こすのと同様に、歯周病菌、中でもギンギバリス菌が肝炎を引き起こすと考えられた。

■歯垢除去などで肝機能の数値が低下

「そこで、ナッシュの患者で歯周病が未治療の10人を対象に、歯垢除去や歯周ポケットへの抗生物質塗布など一般的な歯周病治療を行いました。すると、翌月から順調に数値が低下していったのです」(結束医師)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝