東海圏の「冠疾患集中治療室」偏在は道路網整備でカバー
東海3県(愛知・岐阜・三重)は全国的に見れば、比較的多くのCCUを装備しています。愛知県が96床で全国4位ですし、三重県(35床、15位)、岐阜県(18床、21位)も中位以上に食い込んでいます。ですが他県と同様、人口に対して数が圧倒的に不足していますから、いざとなってもCCUに収容してもらえる確率は低そうです。
愛知県では名古屋市と北側、東側のエリアに、CCUを有する病院が集中しています。また豊橋市など県東部にも、それなりに配置されています。しかし、一宮市や豊田市などはゼロです。
岐阜県では岐阜市周辺に集中しており、多治見市や大垣市といった比較的人口の多い地方都市ですら、CCUは装備されていません。三重県は意外にも南勢志摩地域が、もっとも多くCCUを持っています。また四日市など北勢地域も、比較的充実しています。
東海地方は他所と比べて、道路網が発達しています。広く平らで人口密度の低い濃尾平野は、モータリゼーションに最適の環境です。高速道路だけでなく、国道、県道、バイパスが縦横に延びており、信号や渋滞が少ないため、スピードが出せるのです。そのため愛知県などは、交通事故の死者数がワースト1位になっているほどです。