理想の睡眠時間といわれる「7時間」の良質な睡眠はなぜ必要か?
人は1日の3分の1は寝ていて活動しているのは残り3分の2に過ぎない。起きている時間にいくら体に気を配っても、睡眠中が不健康なら健康長寿はかなわない。だからこそ、長寿研究においても質の高い必要十分な睡眠をとることが重要なテーマとなる。
理想の睡眠時間は7時間といわれる。7時間睡眠の人の寿命が最も長いとのデータがあるからだ。
しかし、人により本来の睡眠時間は異なる。自由に起床可能な日の睡眠時間を複数回測り、その平均値がその人本来のおおよその睡眠時間と言える。
ただし、人は際限なくは眠れない。毎日10時間以上寝られる人は問題を抱えている可能性がある。逆に6時間未満は睡眠負債を抱えている可能性がある。
睡眠は謎が多い。そのひとつは「なぜ眠るのか?」だ。かつては、脳を休めるため、と考えられた。しかし、クラゲやイソギンチャクの仲間であるヒドラは、脳がないのに眠ることがわかっている。
はっきりしているのは、寝ている間に成長ホルモンを多く分泌し、体の各組織の成長や修復、解毒などを行うこと。不眠だとその機能が低下して、代謝が悪くなる。例えば朝起きて食事を取るとトイレに行きたくなる。不眠だとこのリズムが崩れて腸内にたまった毒素が全身を巡り悪影響を及ぼす。