皮膚がただれて剥がれ落ちる副作用はさまざまな薬で表れる
「難病」とは、原因が不明で治療方法が確立されていない疾患を指し、日本では厚生労働省が指定した「指定難病」が330種類あります。パーキンソン病やクローン病などは有名なので、聞いたことがある人も多いでしょう。
指定難病には遺伝性や先天性のものもあれば、後天的に発症するものもあります。そして、薬の副作用が原因となるものもあるのです。
「中毒性表皮壊死症」(TEN)と「スーティーブンス・ジョンソン症候群」(SJS)は、主に薬剤が原因となる指定難病です。どちらも、皮膚や粘膜がただれて、剥がれ落ちてしまう激しい副作用です。“薬疹のかなりひどいもの”というイメージです。
TENはやけどのような症状が表れ、全身の皮膚が赤くなって、少しこするだけでズルズル剥がれてしまいます。薬疹の中では最も重症で、皮膚だけでなく、目、口唇、陰部などの粘膜などが広範に傷害されます。
SJSも重症な薬疹のひとつですが、TENと比べて症状の範囲が狭いのが特徴です。しばしば口唇に血液の混じったカサブタがつくような潰瘍ができたり、目や口唇などの粘膜症状が強く、特に目の粘膜の症状が強い場合には、後遺症を残すこともあります。