山梨、和歌山で震度5弱が相次ぐ…南海トラフ巨大地震が迫っているのか
日本列島が揺れに揺れている。3日午前、山梨県と和歌山県で震度5弱の地震が発生。関東と関西を中心に、広い範囲で震度1~4の揺れを観測した。政府の地震調査委員会によると、南海トラフ巨大地震が今後30年以内に起きる確率は80%。日頃から、最大級の地震に備える必要がある。
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気象庁によると、山梨で発生した地震の震源地は東部・富士五湖。この地域で震度5弱以上を観測したのは2012年1月以来、約10年ぶり。地震の規模はマグニチュード4.8だった。気象庁は緊急記者会見を開き、「揺れの強かった地域では、地震発生後から約1週間は、最大震度5弱程度の地震に注意が必要」と呼び掛けた。
山梨での地震発生から約3時間後、和歌山でマグニチュード5.4の地震が発生。山梨と同じく震度5弱を観測した御坊市では、市役所の窓ガラスが30枚以上割れ、職員や来庁者が一時、建物の外に避難した。
気象庁は和歌山の地震について、「山梨の地震との関連は認められない」としたが、果たしてどうなのか。立命館大環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授はこう言う。
「山梨と和歌山で発生した地震はどちらも、西日本地域が乗っているユーラシアプレートと、フィリピン海プレートの境界近くで発生しています。フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが潜り込むことによって、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに圧力をかけ、地震が発生するという“玉突き現象”が起きているのです。2日に茨城県南部で発生した震度4の地震も、フィリピン海プレートと、東日本地域が乗っている北米プレートの境界に近い。いずれの地震も『関連がない』どころか、全てフィリピン海プレート絡みです。特に太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込む『伊豆・小笠原海溝』の西側、富士山や箱根山、伊豆大島などが位置するエリアでは、これまで経験のない火山活動や地震が発生する恐れがあります」
何といっても心配なのは、南海トラフ地震だ。気象庁は「南海トラフ巨大地震の発生可能性が平常時より高まっているとは考えていない」との見解を示したが、安心はできない。
「南海トラフ地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込み、ひずみに耐えきれなくなったユーラシアプレートが跳ね上がることで発生します。圧力に耐えられなくなったユーラシアプレートがエネルギーを放出し、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界近くの豊後水道周辺や日向灘、さらには台湾で、比較的規模の大きい地震が頻発しています。プレートの動きが活発になっている以上、いつ南海トラフ地震が襲ってきてもおかしくありません」(高橋学教授)
万が一に備え過ぎることはない。