急速に進む「目の病気」の低年齢化…幼少期からのスマホ利用が発症を早めることも

公開日: 更新日:

 日本は世界最長寿の国となり、人生100年時代を迎えています。ところが「目の寿命」ははるかに短く60〜70年ほど。十分な準備をしておかないと人生の後半に目の病気や視力障害で生活に支障をきたしてしまうかもしれません。世界中から治療を求めて患者の絶えない眼科専門医が世界基準の目の守り方を記した『100年視力』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。

■現代生活では「老化」が低年齢化

 目の老化や病気について、基本的に理解しておきたいことがあります。それは目の老化が始まったり、病気になったりする人が「低年齢化」しているということ。かつては中高年になってから症状が出ていた病気で、子どもや若い人が受診することが増えています。

 それは高血圧や糖尿病などが子どもたちに増えている、小児生活習慣病の増加とも重なっています。目も、老化や病気の原因となるのは「生活習慣」であることが多いので、同じなのですね。ピンときた人もいらっしゃると思いますが、小児に糖尿病が増えれば、糖尿病性網膜症のリスクがある子どもが増えるということです。

 中高年も若い人も、同じ「生活習慣」が原因で老化や病気になるのです。

 目の病気で、日本では失明原因4位の「加齢黄斑変性」は病名に“加齢”などとついているので中高年限定の病気と考えてしまいそうになりますが、これも患者さんが低年齢化してきています。

 この病気は、長期間(おおむね20年)、紫外線や、LED照明に含まれるブルーライトなどの有害光線を見続けた害で起こる病気で、年齢より被害を受けた期間の長さが問題だからです。幼児の頃からスマートフォンやタブレットを長い時間、見続けていれば、成人する頃に病気になる可能性もあるわけです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です