猫の「肛門腺出血」は手術で縫合しない方がよく治るケースも
ネコちゃんやワンちゃんがお互いのお尻をクンクンと嗅ぎ合うシーンに出くわすことがあると思います。ヒトに例えれば握手やハグのようなものでコミュニケーションの一環です。
しかし、中には、1匹でお尻を気にするのか頻繁になめたり、床にお尻をこすりながら歩く“お尻歩き”をしたりすることもあるでしょう。そんなときは、肛門腺の分泌液がたまっているサインかもしれません。
肛門を中心として時計の4時と8時の辺りに肛門嚢と呼ばれる袋状の組織があります。そこに強い臭いの分泌液をため、排便時に少し便に付着すると、臭いのもとになるのです。分泌液は肛門腺と呼び、嗅覚が鋭いネコちゃんやワンちゃんには、個体識別の材料になります。
運動不足や水分不足、それぞれの体調や分泌液の性質などによって、袋にたまった分泌液をうまく排出できなくなると、その違和感から上記の症状を見せやすい。さらに便に含まれる大腸菌はじめ細菌やウイルスに感染すると、それらの増殖で化膿して皮膚が裂けて膿が出てくることもあるため、肛門腺を定期的に排出することが大切なのです。