【首都直下型地震の危険度】東京でワースト1位「荒川6丁目」はなぜいけないのか?
最大震度6弱の揺れを観測した四国では今もなお断続的な余震が続いている。南海トラフ巨大地震の地震エネルギーは、この震度6弱の四国地震の約1000倍となる。もちろん、首都圏でも直下型地震への対策を怠ってはいけない。東京都は市街化区域別に危険度を公表しており、ワースト1位は「荒川6丁目」となっているがなぜなのか?
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【首都直下型地震の犠牲者の7割は火災】
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」は、都内市街化区域5192町丁目それぞれの「建物倒壊危険度」「火災危険度」「総合危険度」などを算定している。
自分が住んでいる町の危険度をピンポイントで指摘するもので、2年前の第9回調査で総合危険度ワースト1位となってしまったのは荒川区の「荒川6丁目」だった。
トータルの危険量は「9.36棟/ヘクタール」となっており、これは1ヘクタール(100×100メートル)当たりの建物全壊棟数と建物全焼棟数を合算し、道路整備状況など災害時活動困難係数を乗じてはじき出されたもの。
何がいけないのか? 同エリアの特徴は、消防車や救急車が入って来られない狭く曲がりくねった道が多いこと。これにより、「火災危険度」が足立区柳原2丁目に次ぐワースト2位となってしまった。その火災危険量は19.01で、1ヘクタール当たり19.01棟の家が全焼してしまうという計算になる。
一方、「建物倒壊危険度」のワースト1位は古い建物が密集する墨田区「京島2丁目」で、ワースト2位も同区「京島3丁目」、ワースト3位が足立区「柳原2丁目」となっている。荒川6丁目は比較的新しいマンションも目立ち、20位だった。
では、火災に弱い荒川6丁目は地震が起きたら何が起きるのか?
南海トラフ巨大地震(最大死者約32.4万人)の犠牲者の多くが津波なのに対し、首都直下型地震(同約2.3万人)の犠牲者の7割が火災によるものとされている。東京都の「首都直下地震被害想定」によれば、都心南部を震源とするM7.3の地震(冬・夕方・風速8メートル)が発生したケースでは、都内915件で出火し、延焼などによって11万8734棟が焼失する。うち荒川区の出火は17件で、焼失棟数は1996棟だ。