「年収106万円の壁」撤廃で年間9.6万円の負担増に…働き控え解消の先に待つのは「雇い控え」

公開日: 更新日:

「年収106万円の壁」が撤廃される運びだ。厚労省の社会保障審議会が10日に大筋で了承。この壁は厚生年金に加入する年収要件を指す。現状パートなどで働く短時間労働者(学生除く)の加入要件は月収8万8000円以上、年収換算106万円。そのため、労使折半の保険料負担を避けようと労働時間を調整し、働き控えを招く要因となっていた。

 政府は来年の通常国会に改正法案を提出。2026年10月に年収要件の撤廃を目指す。勤務先の従業員数の要件(51人以上)もなくし、週の労働時間が20時間以上ならば、年収を問わず厚生年金に加入することになる。

「加入対象者は約110万人。うち80万人は主に会社員に扶養される配偶者や60歳以上の高齢者で、これまでの保険料はゼロ。新たに負担が生じます」(厚労省年金局数理課)

 厚労省の試算によれば、新たな本人負担は年収106万円で月額8050円、年間9万6600円に上る。急激な手取り減の緩和措置として保険料の企業負担率を増やし、応じた企業には支援策を講じる見込み。それも時限的な特例に過ぎず、働き控えどころか、負担増に耐え切れない事業者による「雇い控え」が増えかねない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走