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古谷経衡作家

1982年生まれ。立命館大学文学部史学科卒。令和政治社会問題研究所所長。「左翼も右翼もウソばかり」「日本を蝕む『極論』の正体」「毒親と絶縁する」「敗軍の名将」「シニア右翼」など著書多数。

参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

公開日: 更新日:

 参政党が参院で合計14議席を獲得したことで、国内外に衝撃が走っている。特に比例代表では約740万票を得た。前回2022年参院選比例で同党は約180万票を、24年衆院選では同約187万票を得た。この約200万を基礎票とすると、ごく短期間に約500万票近くがどこからか「やって来た」計算になる。

 参政党支持層の主要部は、政治的リテラシーが薄い、民主主義的自意識が低い30~50代くらいまでの無関心層である。その時々に風見鶏的に支持政党を変える無党派層ではなく、これまでの人生で一度も選挙に行かず、与野党の対立構造もあやふやな有権者は、この国に少なくない数いる。今回の参院選は、前回22年参院選と比べて投票率が約6.46ポイント上昇した。数にすれば約600万票が「新規」に増えた計算だ。

 参政党支持層のほとんどは動画を情報源としている。同党の主張には事実誤認や陰謀論的なものも多いが、それを精査できないほどの感受性の有権者には、ファクトチェックは意味をなさない。動画を見て「目覚めた」人々が、こぞって投票所に行くことで投票率は上昇したとみる。雑駁にこのうち4~5割が参政に流れたとすると約300万票。自民を見限った有権者の多くは国民民主に乗り換えたと予想するが、自民から参政への離反組は100万票程度だろう。これに加え、れいわ新選組が本来獲得すべきだった100万票強が参政に流れたとみる。基礎票にこの3つを加えれば、約740万票という数字の説明はつく。

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