中日・谷繁監督悩ませる “格安助っ人”ゴメスのバカ当たり
「少し詰まったけど、スイングが良かった。巨人がライバルチームというのは知っている」
不敵な笑みを浮かべてこう言ったのは、18日の巨人との練習試合で、3安打1本塁打2打点と大暴れした中日の新助っ人・ゴメス(35)だ。
年俸は格安の1000万円。打ってくれたら儲けもの、という立場で入団した男が、ここにきてグングンと評価を上げている。練習ではライナー性の強烈な当たりを連発。チーム内でも「打撃練習だけなら年俸2億円は取れる」と評判だったが、専門の外野に限らず、一塁守備にも挑戦するなど、ハングリー精神が旺盛なのも好印象。「パワーだけでなく、広角に打てる技術もあって、穴がない」と、他球団のスコアラーも警戒心を強めている。
が、一軍でレギュラーを掴むにはまだまだ壁がある。外野のレギュラーは左翼・和田、中堅・大島、右翼・平田が基本線。一塁もルナの起用が予想されている。いくら打っても守るところがないというのが現状なのだ。
しかも、外国人枠の問題もある。投手はカブレラ、パヤノがいて、野手はルナと遊撃レギュラー候補のエルナンデス。場合によっては、一軍にすら入れない可能性もあるから、もったいない話である。
谷繁兼任監督は試合後、ゴメスの活躍について、「必死にやってますね」と多くを語らなかったが、ゴメスの活躍は、ポジションがかぶる平田やルナらにも刺激となるはず。このまま活躍し続ければ一軍入りも見えてくる。谷繁監督はうれしい悩みを抱えることになりそうだ。