完勝V8の山中慎介 バンタム級「4団体統一王者」の現実味
無敗の挑戦者すらも一蹴してのけた。
16日に行われたボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチ。王者の山中慎介(32)が同級7位のディエゴ・サンティリャン(27)を7回36秒でKOし、8回目の防衛に成功した。
ボクシングに関する著作も多いスポーツライターの織田淳太郎氏が言う。
「山中にとってくみしやすい相手でしたね。サンティリャンの大きく振り回す右は、通常のボクサーなら確かに出どころが見えにくい。しかし、山中はサウスポー。離れた位置から出てくる大振りの右は見やすかったはず。右で距離を測ってから左を打つという安全なボクシングでした」
山中の今後の目標は統一戦、そして聖地ラスベガスでの試合。しかし、「神の左」と称されるサウスポーは、さらに大きな流れの中心になる可能性もある。それが4団体統一王者だ。
近年は団体が増えたことで世界王者も大安売り。ボクシング人気低迷の一因となっている。そんな現状を打破すべく、WBA、IBF、WBCは統一戦のルール作りの協議中だ。彼らが注目しているボクサーこそ、25戦無敗17KO、防衛8回の山中なのだ。