絶望乗り越え 車いすマラソン洞ノ上浩太が狙うリオの頂点

公開日: 更新日:

 一般のマラソン競技と異なり、特殊な競技車に乗って42・195キロを走破する車いすマラソン。この競技でリオ・パラ五輪金メダルを狙う選手が洞ノ上浩太さん(42)である。

 競技を始めるきっかけは2000年だった。24歳だった当時、バイク事故で左足と脊髄を損傷する重傷を負った。幸い、一命は取り留めたものの、医師からの宣告は「一生車いす生活」。目の前が真っ暗になった。

「当時大工をしていたのですが、仕事もできなくなり、絶望的な気持ちになりました。そんな時、病院で同室だった笹原くん(廣喜氏=車いすマラソン元日本記録保持者)がこの競技に誘ってくれました。その時、声がかかってなければ今の自分はない。運命でしたね」

 本格的に競技を始めたのは事故から2年後の02年。最初は競技車の操作すらできず、たった数メートル先の電柱まで行くのに10分以上もかかった。

「普通の車いすと競技車は全く別物です。慣れれば操縦はできるようになりますが、最初はみんなビックリします。正座状態で着座し、レース中はそのまま前傾姿勢を維持して車輪をこぎ続けます。車両の重心が後ろにある分、気を抜いて起き上がると一瞬で後方にひっくり返るので、前傾し続けないといけない。その状態で40キロ以上の距離を平均時速30キロでぐらいで走り続けるので、非常にきついです。見かけ以上に過酷ですよ(笑い)」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち