メダルラッシュの世界卓球で露見した高すぎる“中国の壁”
壁はブ厚かった。
5日、世界卓球の女子ダブルス準決勝に登場した伊藤美誠(16)、早田ひな(16)。中国ペアに3セットを連取された後、1セットをもぎ取るのが精いっぱい。超高速ラリーに力負けし、16歳ペアは銅メダルに終わった。
それでも日本にとってこの種目は16年ぶりのメダルとあって、メディアは大騒ぎ。女子シングルス(平野美宇)の銅、男子ダブルス(森薗政崇、大島祐哉)の銀、混合ダブルス(吉村真晴、石川佳純)の金は、いずれも同種目48年ぶりの快挙だと大々的に報じた。
しかし、ここで見逃してはいけないのは、一度も「中国の壁」を越えていないということだ。男子シングルス準々決勝で13歳の張本智和が負けた相手は中国の許キン(27=世界ランキング3位)。同じく準々決勝で丹羽孝希が負けた相手も中国の樊振東(20=同2位)。男子ダブルス決勝で日本ペアの前に立ちはだかったのもこの2人だった。女子シングルスも、石川が準々決勝で敗れたのも、平野が準決勝で負けたのも中国の丁寧(26=同1位)。今回のダブルスも丁寧と劉詩雯(26=2位)のペアだった。