著者のコラム一覧
菅野徳雄ゴルフジャーナリスト

1938年生まれ。岩手県出身。立教大卒。1964年からゴルフ雑誌の編集にたずさわり、中村寅吉をはじめ、河野高明、安田春雄、杉本英世、尾崎将司など、数多くのトッププレーヤーを取材。わかりやすい技術論と辛口の評論で知られる。「ゴルフ・トッププロのここを学べ」「ゴルフスウィングの決め手」「即習ゴルフ上達塾」などの著書がある。

ミズノオープンで若手“飛ばし屋”たちが露呈した重大欠陥

公開日: 更新日:

 これだけ長かったら、長打力の米国チームにはかなわないだろうと思いながら見ていると、優勝したのは一番飛ばない杉原だった。パー4で杉原は3番ウッドでやっと届くホールが多かったが、なかなかボギーを叩かない。正確なドライバーでフェアウエーを捉えて3番ウッドでグリーンに乗せてくる。グリーンは芝目のきついコーライ芝ということもあって、米国選手がパットに苦しむのを尻目に、杉原はグリーンを外してもコーライの芝目を読み切って強気のパットでピンチを切り抜けて勝った。

 そのときのことを鈴木に話すと、「ミズノオープンも飛距離よりもどれだけフェアウエーを捉えられるか。300ヤード飛んでもラフに入れたらグリーンを狙えないので、正確なショットと、後はショートゲームの出来いかんにかかっている」と言っていた。

 優勝した秋吉は27歳と若いが珍しくフラットなスイングで、体の回転で低く振り抜いている。球筋は弾道の低いフェードボールで、ひっぱたかずにボールを運んでやるようなショットをしている。

 20代の若手がトップ10に入っていないのは目いっぱいクラブを振り切って、高い弾道で飛ばしているからだ。強風が吹き荒れる台湾海峡の近くの淡水ゴルフクラブで育った陳清波は「もっと低い弾道で距離を出すスイングを覚えなければチャンピオンになれない」とよく言っている。飛ばそうとして球を高く上げると風の影響でショットは曲がるからだ。

 昔、戸田藤一郎は「空にもOBがある」と言って、松の木より球を高く上げないショットで飛ばした。

「振り回して飛ばすことは誰でもできる。しかし、低い球で飛ばす技術を覚えなかったら真のチャンピオンとはいえない」といつも若い選手を叱咤した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です