“サヨナラ負け”ベルギー戦 日本に欠けた逃げ切りの方策
西野監督が頭を抱えて髪をかきむしれば、2点目を叩き出したMF乾はユニホームで顔を覆って泣きじゃくった。
3日午前3時にキックオフした決勝トーナメント1回戦。FIFAランク3位の欧州最強ベルギーを相手に後半23分まで2点リードしながら、アディショナルタイム4分に決勝点を奪われた。
天を仰ぐMF香川、視線を宙にさまよわせてボー然と立ち尽くすMF本田。試合終了を告げるホイッスルが鳴ったピッチには、九回2死からサヨナラ本塁打を浴びた野球の敗戦チームと同じような光景が広がった。
前半のベルギーの猛攻をしのいだ日本が先制したのは後半3分。MF乾からのパスを受けたMF柴崎がセンターサークル内からスルーパス、右サイドを駆け上がったMF原口がペナルティーエリア(PA)内でこれを収めて右足を振り抜き、ゴール左に突き刺した。その4分後の後半7分には、MF乾がPA手前から無回転シュート。これがゴール右隅に決まり、日本が2点を先制するまさかの展開になった。
この時点で守りを固める手もあったが、「2点先制後もオフェンシブに戦えていた。ゲームをコントロールできた時間帯もあったし、そのまま走った」と西野監督は追加点を狙いにいった。