“サヨナラ負け”ベルギー戦 日本に欠けた逃げ切りの方策
■ポーランド戦パス回しの“後遺症”
ポーランドとの1次リーグ最終戦で露骨な時間稼ぎを指示し、10分以上も姑息なパス回しを展開して世界中から酷評されたことが頭をよぎったのかもしれない。しかし、この攻めの姿勢が裏目に出た。
「本気のベルギーがそこにいた」
指揮官がそう振り返ったように、後半24分からわずか5分間で2失点。DFフェルトンゲン(31=トットナム)、MFフェライニ(30=マンチェスターU)に相次いでヘディングシュートを決められた。
そして、後半49分。残り1分で延長戦に突入という土壇場で、日本は失意のどん底に突き落とされた。後半36分から途中出場した本田のCKをキャッチしたGKクルトワ(26=チェルシー)が素早い下からのスローイングでMFデブルイネ(26=マンチェスターC)につなぎ、そのデブルイネが中央からドリブルで一気に日本陣地に攻め入ると、パスを受けた右サイドのムニエ(26=パリサンジェルマン)がグラウンダーのクロス。ゴール前でFWルカク(25=マンチェスターU)がこれをスルーし、MFシャドリ(28=ウェストブロミッジ)がフリーでゴールへ流し込んだ。