“逃げ切り策”だけじゃない ポーランド戦不可解采配を検証
実に後味の悪い結末で2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた日本代表の西野朗監督(63)は、0―1で敗れたこの日のポーランド戦で姑息な逃げ切り策の他にも致命的なミスを犯した。
ドイツサッカー協会S級ライセンス保持者の鈴木良平氏が、「試合前日から漏れ伝わっていたとはいえ、まさか本当に前2戦から6人も先発メンバーを入れ替えるとは思わなかった。理解に苦しむ。これが敗戦に直結してしまった」と首をかしげてこう続けるのだ。
「しかも、4DF―2ボランチ―3MF―1FWから4―4―2のツートップへシステムまで変えた。これにより、完全に孤立してしまったのがMF柴崎です。日本がコロンビア、セネガルを相手に下馬評を覆す戦いができたのは、攻撃の差配役である柴崎が機能していたから。MF香川、MF乾、MF長谷部らとの連係もうまく取れ、得点機を生み出していた。それが、人もシステムも変更したことで、明らかに日本のゴールが遠のいてしまった。引き分け以上という自力突破の可能性を放棄したようにも見えるが、かといって、引き分け狙いという戦い方でもなかった。凡ミスが多いDF槙野をセンターバックに起用、実際に後半36分にクリアボールがゴール方向に向かう、あわやオウンゴールというシーンもあった。あくまで勝ちにいくのか、それとも引き分けを狙いにいくのか、どちらの目的も見えない選手起用、戦術と言うしかありません」