準決勝で「日本人GKのレベルアップ急務」を改めて実感した
GKの「格」で言うとフランスGKロリス、ベルギーGKクルトワの方が、この日の準決勝でプレーした2人よりも上であることに異論はないだろう。彼らの凄さは「この局面で最適なプレーは何か?を瞬時に判断するスピードの速さ」だ。
ベルギー戦でのロリスは、キャッチングとパンチングの取捨選択が完璧だった。
無理にキャッチせず、パンチングで難を逃れるシーンも多かったが、そのパンチングにしても遠くに飛ばす、ファーサイドに流す、CKに逃れる――といった判断を即座に下し、高い技術でこなしていった。
身長199センチのクルトワは、足先の柔軟性に驚かされた場面があった。
フランスの19歳FWエムバペのパスを受けた右SBパバールがPA内に侵入。クルトワと1対1となった。右足で放ったシュートは、クルトワの右足をかすめるようにしてゴールに吸い込まれると思われたが、クルトワはとっさの判断で右足の角度を微調整。ボールは右足の外側に当たり、ゴールの枠外に飛んだ。
準決勝で4人のGKのプレーを見ながら、日本代表がW杯で勝ち上がるには、何よりも「GKのレベルアップが急務」であることを改めて実感した。と同時に第3GKだった中村航輔(23)の今後の成長に期待したい。