大苦戦だったU-20W杯初戦 影山監督が見せた大胆な打開策
17歳でA代表入りしたMF久保建英(FC東京)らを欠く中、U―20W杯(ポーランド)に挑んでいる日本代表。強豪揃いの死の組(B組)に入った日本のノルマは16強入り。だが、23日の初戦エクアドル戦は前半から一方的に攻め込まれ、1-1のドローに持ち込むのが精一杯だった。それでも「カゲさんがあんな怒鳴り声を上げたのは初めて」とDF瀬古歩夢(C大阪)が驚き半分に語ったように指揮官の凄まじい情熱が、勝ち点1をもたらしたのは事実だろう。
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福島県いわき市生まれの影山雅永監督(52)は、井原正巳(柏コーチ、元日本代表DF)や中山雅史(J3沼津FW)と筑波大時代の同期。Jリーグ初期の千葉や浦和、仙台でプレーし、96年の引退後は筑波大大学院やケルン体育大学でコーチングを学んだ。筑波大時代には田嶋幸三・日本サッカー協会会長の研究室に在籍。98年フランスW杯で指揮を執った日本代表・岡田武史監督の参謀だった小野剛コーチ(現FC今治監督)らとともに偵察部隊の仕事を務めるなど日本サッカー界のメイン街道を歩みつつあった。
2003年以降は広島やシンガポール、岡山などで10数年間に渡って現場指導に携わった。シンガポールでは現地の選手に流ちょうな英語で指示を送って<バイリンガルコーチ>として活躍。豊富な国際経験と緻密なサッカー理論を駆使し、久保や安部裕葵(鹿島MF)ら近未来を日本代表を背負って立つタレント集団をまとめ上げた。