元代表主将・林敏之氏観戦記 ジャパン好発進のウラの綻び
W杯開幕戦のプレッシャーなのか、ジャパンの試合の〈入り〉が良くなかった。ロシアにペースを握られた状態で試合が進み、このまま苦しい展開が続くのでは、と少なからず不安な気持ちに襲われてしまいました。
その要因としてまずは「ミスの多さ」が挙げられるでしょう。
要所でパスや連係面のミスなどが目立ち、スピーディーな展開で攻めようにも、効果的な攻撃を仕掛けることができませんでした。守っては、ミスが相手のチャンスに結びつくことが多く、これも日本の苦しい展開につながりました。
さらには「キックの精度の低さ」と「キャッチングのお粗末さ」です。
腰が引けたようなキャッチング姿勢が序盤から目立ち、ミスのたびにロシアの選手を勢いづかせてしまった格好です。
ジャパンのキックに関しては、あまりにも「相手が容易にキャッチできる」ボールが多かった。
キックの精度の低さが主原因ですが、キャッチした相手選手に対する圧力の掛け方も機能しておらず、キックの総合点を比べるとロシアに軍配を上げざるを得ません。