タイ代表石井正忠監督「W杯初出場の大きなミッションを果たしたい」日本代表と元日決戦
2024年1月1日のビッグマッチが近付いた。
森保ジャパンと石井正忠・元鹿島監督を新指揮官に迎えたタイ代表が、新国立競技場を舞台に激突するのである。
この元日決戦は日本代表にとっても、石井タイ代表にとっても、極めて意義深いものとなる。
まずは森保ジャパンから――。
このタイ代表戦は「国際Aマッチ史上最多の9連勝」を掛けた重要な一戦となる。
2022年カタールW杯でドイツ、スペインを撃破してベスト16入りした森保監督は、契約を延長して第2次森保ジャパンを率いて順調なスタートを切り、11月には2026年北中米W杯アジア2次予選を2連勝。国際Aマッチ史上最多タイの8連勝で2023年を締め括った。
タイ代表相手に勝利を収め、その余勢を駆って12日にカタールで開幕する「アジア杯」(決勝は2月10日)に乗り込み、アジア王者となってFIFA世界ランク「アジア最上位の17位」が伊達ではないことをアピールしたい。
■タイ1部2季連続3冠からタイ代表監督に
生まれ育った日本に敵将として乗り込む石井監督は――。
鹿島監督時代の2016年にJリーグを制覇。同年のクラブW杯決勝で名門レアル・マドリッドと互角の戦いを演じて世界をアッと言わせた。
2019年にタイ1部サムットプラーカーンの監督に就任。2021年12月に強豪ブリーラムの監督に招聘されて2021/2022年、2022/2023年シーズンと2年連続で3冠タイトルを獲得した。
その采配力、戦力分析力、人心掌握力などがタイ国内で高く評価されて8月、タイ代表のテクニカル・ダイレクター(TD)に就任した。
その時期は、タイ代表のペルキング監督の手腕が疑問視されており、石井TDの代表監督就任が取り沙汰されていた。
満を持してタイ代表を率いることになったわけだが、初采配が「2024年の元日に日本代表と新国立競技場で対戦する」ことは想定外だった。
「タイ代表監督に就任したのは、元日にタイ代表が日本代表と対戦することがアナウンスされた後でした。タイ代表を率いることになった驚きを感じながら、初采配が日本の代表チームとのアウェー戦となり、とても感慨深い気持ちになりました。日本代表は、世界の強豪と互角の戦いができる素晴らしいチームです。タイ代表としては、現時点の持てる力を存分に発揮し、チャレンジャーとして決して怖がることなく、立ち向かって行きたいと思います。選手たちも、私と同じ意識を持って戦ってくれると思っています」