沢田研二
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カップリング曲『ZOKKON』の歌詞に見て取れる佐野元春の影響の断片
この時期の沢田研二のシングルは、カップリング(B面/2面)のレベルも高く、元々はA面候補だったのかもしれないと思わせる出来である。 「渚のラブレター」のカップリング「バイバイジェラシー」や、「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」の「ジャン...
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イントロと歌い出しで不思議に耳に残る9th(ナインス)音のテクニック
沢田研二と佐野元春と大沢(現=大澤)誉志幸と伊藤銀次が、もし一緒に歌ったら──。 そんな豪華な組み合わせのコーラスがごくごく簡単に聴けるのである、「おまえにチェックイン」のイントロで。 この曲の編曲も担当した伊藤銀次...
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大沢誉志幸という巨大な才能を世に押し出した…この曲の最大のトピックだ
「おまえにチェックイン」というシングルの、ある意味、最大のトピックは、大沢(現=大澤)誉志幸という才能を世に出したことではないか。 大沢誉志幸は当時、渡辺プロダクション所属だったので、言ってみれば、沢田研二の内輪。クラウディ・...
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血が騒ぎ出すアメリカンな陽性ロックンロール路線
1982年も5月になった。 余談の多い連載だが、今回はいきなり余談。「おまえにチェックイン」の発売日は5月1日なのだが、同じ日に「スローモーション」というタイトルのシングルも発売されている。そう、この82年5月1日は、中森明...
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タイガースはアマチュア時代、スパイダースのファンクラブに入っていた
いくつか補足を。 この曲、ギターソロがいかにも唐突である。ニューウェーブ感のあるロックサウンドの中で、突然スパニッシュ風のアコースティックギターがソロを担当するのだから。 これには理由があった。はい、また出ました。本...
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この曲のMVPは岸部シロー 難なくこなす超絶高音ロングトーンが凄まじい
作曲はメンバーの森本太郎で、リードボーカルは沢田研二と加橋かつみで分け合っている。 テレビなどに出たときは、センターが沢田研二ではなく加橋かつみで、沢田は加橋の右側のポジションだった。 このあたりにも、「同窓会」プロ...
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「色つき」ちゅうのが…“意識高い系”だった母親の苦言にあえて反論する
作詞は前作「十年ロマンス」に続いて阿久悠。 「この『色つき』ちゅうのが嫌やなぁ」──当時、テレビで歌っているザ・タイガースを見て、私の母親が放った印象的な一言である。私の母親は中学校の社会科の教師。今で言う「意識高い系」の女性...
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メンバー5人がCMに登場する「直接的タイアップ」が最大のヒットに貢献した
今年もよろしくお願いします。 さて、ザ・タイガースのこのシングル。すでに何度か触れているが、1980年から85年における、沢田研二(「同窓会」ザ・タイガース含む)のシングルで、もっとも高い売上枚数を記録したものである。 ...
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【年末特別企画】連載前半総括「レコード大賞」を発表! 作詞・作曲・編曲・歌唱…そして大賞は?
「週4日、ほぼ毎日かよ、書けるのか?」と思いながら始まったこの連載も、今年は本稿で終わり。いよいよ前半戦が終了。折り返し地点に差し掛かりました。 進んだのは、ザ・タイガースのアルバム「THE TIGERS 1982」まで。 ...
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自分たちの作るメロディーを歌うと決めた事実が、アルバムの価値を押し上げる
作詞陣の多様さ、言い換えればバラバラさも、アルバムとしての統一感を見えにくくしている。 阿久悠、橋本淳、山川啓介、加橋かつみ、糸井重里、山上路夫、近田春夫、安井かずみ、小泉長一郎、滝御夏子──。 グループサウンズ(G...
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世界最先端にニュー・ロマンティックなサウンドが、普通にお茶の間に流れていた驚き
「麗人」という漢字2文字のタイトル。日の丸や日章旗を使った、まるで海外から見た(ヘンテコな)日本像をモチーフにしたジャケット。ウルトラヴォックスのような激しいギターのコードストローク。楽曲全体に漂うエレクトロなテイスト。そして何といっ...
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「ピアノ」「しあわせ」「墜ちて行く」の歌詞に驚いた
沢田研二と阿久悠との関係が復活している。「同窓会」ザ・タイガース「十年ロマンス」に続いて、「麗人」の作詞も阿久悠、そして翌月リリースのザ・タイガース「色つきの女でいてくれよ」も阿久悠だ。 糸井重里や三浦徳子ら、戦後生まれの新...
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この曲で注目すべきは、歌い出し直前の歪んだ音のギターだ
「作詞=阿久悠、作曲=沢田研二、編曲=後藤次利」という何とも豪華、かつ今風にいえば「多様性」な組み合わせだ。 沢田研二によるメロディーは、前年の「渚のラブレター」「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」「十年ロマンス」同様、いたってシンプル...
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ジェンダーレスの概念なき時代に演じきった「艶姿」
さあ、この連載でもっとも派手な1982年を迎えた。 この年初のシングルは、まるで年賀状のようなジャケットだ。 船長のような白い服の沢田研二が真ん中に。その後ろは、旭日旗のような赤い放射型デザインに「WELCOME」と...
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1982年は34歳の「中年」沢田研二がド派手に立ち回る最後の1年に
一言でいえば「1980-1985の中で、もっとも派手な1年!」。 シングルは3枚。1月の「麗人」、5月の「おまえにチェックイン」、9月に「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」をリリース。 アルバムは2枚。6月に「A WONDER...
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10年の「人間」の物語は決して幻ではなかった
「十年ロマンス」は歌詞が冴えている。 70年代後半、沢田研二のシングルでヒットを量産した阿久悠が書いた歌詞は、ザ・タイガースの再結成ならぬ「同窓会」に対して沢田研二が抱えていた思いを十分に把握した視点から、言葉を紡いでいる感じ...
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タイトルの「十年」に込められた万感の思い
もう少し、ザ・タイガース「同窓会」への経緯を追っておく。 10年ぶりの集結については、沢田研二自身の意向が、かなり強く反映されていたようなのだ。1985年に発売された沢田研二の自著(玉村豊男・編)「我が名は、ジュリー」(中央...
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京都を起点に全国拡大したGSブームは、「応仁の乱」以上の騒ぎだった
「十年ロマンス」──ザ・タイガースの再結成シングルだ。ただ公式には再結成ではなく「同窓会」とされた。 ザ・タイガースとは、言うまでもなく、沢田研二が属していたバンドであり、グループサウンズ(GS)ブームの中で、トップの人気を誇...
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ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と
ザ・ビートルズのファッションは解散(70年)後も生き続けた。影響を受けた私の服装の記憶をたどってみると、まずはパリで沢田研二との話。74年秋、私は「シャンソン音楽コンクール」関係の取材でロンドン-マドリード-パリを回っていた。そのパ...
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歌謡曲としても立派に成立してて理想的やん!
ニューウェーブ、ロックンロール、そして歌謡曲。この3つをまんべんなく押さえ、相乗効果を持って融合し、そして、売れた。 「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」はある意味で「沢田研二の音楽1980-1985」のピークだと言えよう。 前...
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豪華かつ変わった組み合わせの「2面 ジャンジャンロック」がなかなかいい
カップリング曲について、ジャケットには変わった書かれ方をしている──「●2面ジャンジャンロック」。普通「B面」だと思うが「2面」。 と思って、これまで取り上げたシングルのジャケットを見たら「渚のラブレター」も「おまえがパラダ...
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クライアントの要請に柔軟に応える作詞家・三浦徳子の精神性
この曲の作詞家・三浦徳子の功績についても、触れておかなければならない。 プロデューサー・木崎賢治は、島﨑今日子「ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒」(文芸春秋)でこう語っている。 ──<加瀬さんと話し合ったアルバム...
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グルービーなバンド「エキゾティクス」を従え最大最強のピースが埋まった
ジャケットの上部には大きく「JULIE&EXOTICS」。注目すべきは、その級数(字の大きさ)だ。 シングルを売るためにはいちばん大切な曲名の「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」より、さらには「沢田研二」よりもかなり大きいのだ。 ...
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佐野元春提供「BYE BYE HANDY LOVE」での“ゲリロン!”がかっこいいのなんの
もう1回だけ、アルバム「S/T/R/I/P/P/E/R」について記しておきたい。 まずタイトル。「/」で刻まれたアルファベットの文字列は、書く上で字数を食ってしょうがなかったが、ここにも創造性が横溢していると思い、尊重した。...
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気張らず淡々と高音域の頂上に登り詰めていく ベスト曲は「渚のラブレター」アルバムバージョン
アルバム「S/T/R/I/P/P/E/R」を代表する曲、いや80年代前半の沢田研二の金字塔となる1曲が、本アルバムに収録されているバージョンの「渚のラブレター」だと私は考える。 シングルバージョンは、アルバム「G.S.I L...
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極めて特異な「せーの!」感とボーカルの艶っぽいミキシング
このアルバム「S/T/R/I/P/P/E/R」の印象を一言でいえば──「バンド感」。 沢田研二が、若いバンド=エキゾティクスを引き連れて(ただベースの吉田建は沢田研二の1歳だけ下)、ロンドンまで足を運んで「せーの!」でセッシ...
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最前線の「ネオ・ロカビリー」に「ニュー・ロマンティック」をぶっこむ凄み
この時期の沢田研二のデザインワークについて、私は批判する言葉を持っていない。アルバム「S/T/R/I/P/P/E/R」のジャケットに関して、評論家っぽくない言い方を許してもらえれば──「あぁ、ほれぼれする」。 感心するのは、...
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沢田研二の内面にあるヨーロピアンな本質が発露したメロディーの魅力
「沢田研二ってヨーロッパな人だなぁ」とつくづく感じることがある。 70年代に、ヨーロッパ各国でシングル、アルバムをリリースしたことの印象も強いのだが、それ以上に、本人の持つムードが、ヨーロピアンだと思うのだ。 このあた...
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「全音下げ」編曲オーダーを伊藤銀次が失念…でもキーを下げないでくれて本当に良かった!
シングル「渚のラブレター」についても、レコーディングの詳細は、編曲を担当した伊藤銀次著「伊藤銀次自伝MY LIFE,POP LIFE」(シンコーミュージック・エンタテイメント)に詳しい。内容をかいつまんでまとめてみると──。 ...
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この曲のおかげで私はギターが弾けるようになった
たまには、あの頃の自分の話でも──。1981年は中学3年生。「渚のラブレター」が発売された5月は、校内暴力に息を潜めながら「そろそろ受験勉強せんといかんなぁ」などと思っていた頃だ。 でも、勉強なんかより大事だったのはフォーク...