沢田研二
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沢田研二の“胃潰瘍の功名”でアルバムのロック感・ニューウェーブ感を高まった
収録曲は全10曲。目を引くのが「恋のバッド・チューニング」「みんないい娘」「お月さん万才!」の3曲以外、計7曲を演奏しているバンドである。 バンド名のクレジットは「ALWAYS」(オールウェイズ)。 メンバーに並ぶの...
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アルバムジャケットに細かい工夫を施すセンスはキレッキレ
このあたりのアルバムはすべて、私はLPで持っている。 アルバム「TOKIO」のときと同じような話になって恐縮だが、ジャケットにほれぼれしてしまう。LPサイズで見ているから、なおのことだ。ぜひ中古レコード店で探し出して、沢田研...
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歌詞のキワモノ・悪趣味・下世話な魅力はもっと再評価されていい
この曲の魅力について、先に「キワモノ」「悪趣味」という言葉を使ってきた。もちろん、褒め言葉として。もうひとつ加えるなら「下世話」という言葉も似つかわしい。特に糸井重里の歌詞について。 「TOKIOが空を飛ぶ」という歌詞は奇想天...
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イントロ、メロディーそしてボーカル…すべて「TOKIO」よりはじけたニューウェーブ
「うるせえよ!」 漫才コンビ・錦鯉の向かって右側の渡辺が、左の長谷川をつっこむように、私はこの曲を聴いた後、沢田研二の頭をポンと叩きたくなる。 さらに付け加える──「キワモノなんだよ、悪趣味なんだよ!」。さらに、さらに...
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「恋のバッド・チューニング」は記録より記憶に残る“純粋なるキワモノ”
元日発売の「TOKIO」から約3カ月半後に発売。ちなみに、その直前の4月1日には、松田聖子が「裸足の季節」でデビューしている。歌謡界のパラダイムチェンジが少しずつ進んでいる。 売上枚数は17.2万枚と「TOKIO」の約半分に...
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沢田研二は「いたずら心みたいな感じで」80年代の扉を蹴り上げた
ここで1980年の沢田研二を再度概観する。「TOKIO」の前作シングルは、79年9月発売の「ロンリー・ウルフ」。地味な作品で売上枚数8.9万枚、オリコン最高位は18位にとどまった(ちなみに、さらにその前作「OH!ギャル」は最高5位)...
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アルバム「TOKIO」は編曲こそ派手派手だが、身ぐるみを剥がすと70年代が現れる
このアルバムの全曲の編曲を担当したのが、後藤次利だ。 加藤和彦、高橋幸宏、高中正義らとのサディスティック・ミカ・バンドのベーシストとして、イギリス公演に参加。そのはじけるようなチョッパー(スラップ)ベースで、ロンドンのロック...
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アルバム「TOKIO」は、歌謡界から早々と新たな潮流に照準を合わせていた
さて、ここで1979年の暮れに少しだけ時間を巻き戻す。このアルバムはタイトル通り、すでにご紹介した翌80年元日発売のシングル「TOKIO」が収録されたものである(ただし、アルバムに収録されているのはシングルよりも長いバージョン)。 ...
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本人の感性を追い越すようなスピードで賽は投げられた
これまで4回に分けてシングル「TOKIO」のサウンドと歌詞について見てきた。では、曲そのものではなく、曲に対する沢田研二の当時の気分はどのようなものだったのか。 ひとつの手がかりがある。島﨑今日子「ジュリーがいた 沢田研二、...
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いろんな意味で「TOKIO」をヤバい曲にしたのは沢田研二の甘過ぎる歌声だ
きょうから再度、シングル「TOKIO」の話に戻りたい。語っても語っても語りきれない一曲なのである。何といっても「沢田研二の音楽1980-85」を象徴する一曲なのだから。 ここまで、1980年元日発売という事実の時代的意味、後...
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「人間・沢田研二」もええけど、音楽論も、もっとちゃんと語ったれや
さて、この連載は1980年から85年の計6年間に、沢田研二が残したすべてのアルバム、すべてのシングルを論評し、さらには、同期間に再結成されたザ・タイガースの作品も併せて見ていくものである。 ここでいったん立ち止まって前提を確...
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外国のマネだけではダメなんじゃないか…糸井重里が「TOKIO」の歌詞に込めた思い
「空を飛ぶ 街が飛ぶ」「スーパー・シティーが舞いあがる」「TOKIOが空を飛ぶ」──糸井重里による歌詞は、とにかくぶっ飛んでいる。 そもそも「TOKIO」とは何なのか? 「ほぼ日刊イトイ新聞」(ほぼ日)の中で、糸井本人は「もう...
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「TOKIO」はイントロの25秒で80年代をグッと引き寄せた
オリコン最高8位。この曲が意外に低いセールス記録以上に記憶に残るのは、巨大パラシュートを背負う奇抜なファッションもさることながら、イントロが大きく奏功した結果だと考える。「TOKIO」のイントロは、それくらい画期的なものだった。 ...
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79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った
この曲を象徴するのが、1980年の元日発売という事実である。 しかし、単に元日に発売されたことよりも、年が明けてすぐ、この上なくセンセーショナルな形で世に示されたことの方がより重要だ、と私は考える。 「ゆく年くる年」─...
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1980年1月1日「TOKIO」発売 パラシュートを背負って80年代を連れてきた
1980年になった。 70年代から80年代へ。字面上は「7」が「8」になっただけのことだが、しかし、当時を知る者として、その変化は劇的だった。 「長髪」から「短髪」へ、「かっこいい」から「かわいい」へ、「フォーク」から...
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加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある
かつて一世を風靡したグループサウンズ。その先頭を走ったのはザ・タイガースだった。ボーカルの沢田研二はソロになって活躍しているが、最初にグループをやめたボーカル&ギターの加橋かつみさんも旺盛に音楽・ライブ活動を続けている。日本の音楽シ...
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紅白歌合戦は今年も若い人向け? 70代でもパワフルな布施明と沢田研二が見たいのだけど
今年のNHK紅白歌合戦の出場歌手の発表の後、マスコミやSNSなどでさまざまな意見が出ている。 若い人たちに向けてアイドルグループが欲しいのだろう。だからといってK-POPグループには「4組も出場するのはいかがなものか」といっ...
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山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない
シンガー・ソングライターの山崎まさよし(51)が10月21日に茨城・水戸のホールで開催したコンサートで物議を醸した。 約2時間半の公演中に8曲しか歌わず、ほとんどしゃべるだけ。「歌って」という客席のファンの声に「歌うのって、...
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沢田研二が貫き切った流儀と矜持 因縁のさいたまスーパーアリーナで75歳バースデーライブ
「もう、大満足の時間でした」と興奮冷めやらぬ様子なのは、会場でライブを堪能した芸能リポーターの長谷川まさ子氏だ。 沢田研二の全国ツアー「まだまだ一生懸命」のファイナル公演。75歳の誕生日の6月25日、バースデー特別公演を兼ねて...
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沢田研二はせっけんの香りがしそうなほど透明感があってキレイ…こういう人がスターだと
アタシがデビューした1970年あたりから74、75年にかけては、個性的な歌手が多かったですね。声を聞いただけで誰が歌っているか、すぐに分かりました。 「時間ですよ」でご一緒した鈴木ヒロミツさんなんかも個性派でいい声なの。ザ・モ...
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沢田研二が今度は前代未聞「コンサート前倒しリスケ」 不可解トラブルはなぜ起こった?
昨年、コンサートのドタキャンで話題になった沢田研二(74)にまたまたトラブル発生である。11月15日に東京国際フォーラムで開催予定の「沢田研二 LIVE 2022-2023『まだまだ一生懸命』ツアー」が1カ月前になって前日の14日に...
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松山ケンイチや阿部サダヲが主演…映画界“孤独死”作品が急増の謎解き
エリザベス女王や安倍晋三元首相など、国を挙げての「国葬」が話題になっているが、その対極にあるのが「孤独死」であろう。女優・島田陽子(享年69)も、遺体の引き取り手がおらず、荼毘にふすことができないという報道があったが、内閣府の高齢社...
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矢沢永吉は台風下の公演強行で猛批判…思い出す4年前の沢田研二ドタキャン騒動
先日、台風14号が接近する中、矢沢永吉(73)が福岡PayPayドームでコンサートを決行し、ネットで大きく批判された。当日は、会場周辺だけでなく、福岡エリアの公共交通機関のほとんどが運休を予定し、また同じ日に福岡でコンサートを開催予...
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沢田研二・田中裕子夫妻に「売れへん夫婦漫才のおもろないネタ」を頼まれ、さらに指導まで
1999年3月公開の映画「大阪物語」で沢田研二さんと田中裕子さんという本当のご夫婦が“夫婦漫才師”役を演じられ、幸運にもこの時の漫才台本を書かせていただきました。 98年の夏ごろ、吉本から「映画の漫才台本を書いてほしい」と依...
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五木ひろしの光と影<24>「平尾センセ、『姫』の山口洋子さんってどんな人だった?」
TOKYO MXの夕方の情報番組「5時に夢中!」。そのスピンオフ企画として2010~16年に、年が明けてすぐの午前0時から2時間枠で放映していたのが「目指せ!場末の歌姫『おママ対抗歌合戦』グランドチャンピオン大会」である。構成作家と...
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沢田研二の矜持と覚悟 コロナ禍でソロ50周年ライブ大盛況
ジュリーこと沢田研二(72)のソロデビュー50周年記念ライブツアー「BALLADE」の評判が上々だ。コロナ禍で延期されていた公演のうえ、いまも緊急事態宣言下での開催のため、客入りを危ぶむ見方もあったものの、蓋を開ければ5月28日の東...
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“ザ・芸能界”な仕事は沢田研二「勝手にしやがれ」が初めて
僕にとって、初めてのザ・芸能界的な仕事は沢田研二さんの「勝手にしやがれ」でした。フレッシュな若手アレンジャーを起用するというプロデューサーの意向があったようですね。 スタジオにレコード会社の偉い人をはじめ、事務所のスタッフら...
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沢田研二 事務所閉鎖&主演映画公開延期でも貫く「美学」
ジュリーこと沢田研二(72)に何があったのか――。ファンクラブ「澤會」が昨年末に突如、解散したと報じた「週刊新潮」が、今度は個人事務所「株式会社ココロ」まで閉鎖されたようだとして、テレビ番組制作会社スタッフの以下のコメントを伝えてい...
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沢田研二に不倫と別居説…自宅周辺の聞き込みは即バレした
メディアの中でしきりに囁かれ出した沢田研二と田中裕子の不倫。妻・伊藤エミさんとの別居説まで流れ始めていた。裏付けを取るべく世田谷にあった沢田の家周辺に聞き込みに出かけた。 最寄りの駅から遠く離れた閑静な住宅街の一角。まずは近...
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元祖ビジュアル系 ジュリーの化粧に賛否両論が巻き起こる
駆け出し記者の頃、「青山に沢田研二がよく来る店がある」と教えてくれたのは建設会社に勤める友人だった。さっそく一緒に出かけた。よくあるパブだったが、当時は青山という街がステータスな時代。よくあるパブでも敷居が高く感じた。客層も違う。流...