BOOKレビュー
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「恋から始まったビョーキ」松居沙夜著
強迫性障害とは、不潔が気になって何度も手を洗うなど、無意味と分かっていながら同じ行為を繰り返し、やめられなくなってしまう疾患。思い返せば小学生時代にその兆候はあったが、予備校生時代に初めて交際したA…
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「晴れの日には 藍千堂菓子噺」田牧大和著
ある日、神田相生町の菓子屋「藍千堂」に入ってきた男が、主の晴太郎や店を仕切る弟の幸次郎を前にいちゃもんをつけ始める。男は藍千堂の菓子職人・茂市の顔なじみの足袋職人・九助だった。事情を知らない九助は、…
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「シンマイ!」浜口倫太郎著
失業中の翔太のアパートに父親の正和が訪ねてきた。正和は、翔太に新潟に住む祖父の喜一からコメ作りを学んできて欲しいと言い出す。気乗りしない翔太だが、報酬として車のローンの肩代わりをしてくれると言われ、…
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「空室が日本を救う!」谷正男監修
今、全国に空き家が820万戸もあり、社会問題化。少子高齢化による人口減少や、ワーキングスタイルの変容で、スペースの用途を住居やオフィスに限定する従来通りの発想ではもはや抜本的な解決は見込めない。本書…
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「フェルメールの憂鬱」望月諒子著
ベルギーの小さな村の古い教会の壁にかかっていた古ぼけた絵画が何者かに持ち去られる。8年前、教会に赴任した牧師のトマスは、前任者から、その絵が実はブリューゲルの真作だと教えられていた。しかし、そのこと…
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「秘録 CIAの対テロ戦争」マイケル・モレル著、月沢李歌子訳
米国の情報機関CIAで要職を歴任してきた著者が、国際テロ組織との戦いの内幕を明かしたノンフィクション。 1998年、ケニアとタンザニアの米大使館が自爆テロによって同時攻撃された。これがアルカ…
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「戦地の図書館」モリー・グプティル・マニング著、松尾恭子訳
第2次世界大戦中、米国が展開した史上最大の図書作戦の全貌を描くノンフィクション。 ナチスは1933年から「非ドイツ的」書籍を消滅させるため、政府公認の焚書を実行。欧州の国々で1億冊以上の書籍…
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「知性だけが武器である」白取春彦著
「自分の運命の可能性を広く太くする」大人のための勉強のススメ。 本を読まないのは、栄養を取らないことと同じだから、人生が貧弱になることだと指摘。勉強でも、研究でも、最も時間をかけなければいけな…
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「自衛隊の闇」大島千佳・NNNドキュメント取材班著
04年10月、護衛艦「たちかぜ」に乗務していた21歳の海上自衛官Tさんが自殺。遺書から、原因は先輩隊員Sによる悪質ないじめであることは明らかだった。しかし、Sの暴行・恐喝行為について隊員にアンケート…
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「選ばれし壊れ屋たち」鹿島田真希著
新人作家の小夜は、デビュー作は評価されたものの、2作目が書けず、担当編集者に斡旋してもらったボーイズラブ小説の応募原稿の下読みで糊口をしのいでいた。ある日、小夜を呼び出した元カレの北川が、クリエータ…
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「カレーの奥義」水野仁輔著
カレーとは何かを解明すべく、名店のシェフにそのテクニックと知見を学ぶインタビュー集。 たまねぎの加熱がカレーに及ぼす効果を突き詰めて考察している店の筆頭が「デリー」。名物のカシミールカレーの…
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「代体」山田宗樹著
人間の意識を肉体から取り出す技術が確立。長期入院を余儀なくされた患者らは、専用の人造人体「代体」に意識を移送させ、治療による肉体的苦痛を味わうことなく、普通の社会生活を送ることが可能になった。 …
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「江戸へおかえりなさいませ」杉浦日向子著
05年に46歳で早世した江戸風俗研究家の遺稿を編んだエッセー集。 ある午後、好物のそばをたぐりながら「浮世絵はそばなんだ」と悟ったと、そばに通じる浮世絵の楽しみ方をつづる。 またある…
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「ゲンダイ・ニッポンの真相」斎藤貴男著
本紙連載の人気コラムの単行本化。 連載初回(06年4月)は「重慶大爆撃」の被害者や遺族が日本政府に損害賠償を求める訴訟を起こしたことを取り上げる。同爆撃が国際法違反の非道な攻撃だったことを明…
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「罪の終わり」東山彰良著
2173年6月16日の小惑星衝突で文明は終焉を迎え、生き残った人類では、緊急避難として始まった食人が恒常化。自分の罪に苦しむ人々を救ったのが黒騎士と呼ばれたナサニエルだった。 彼は飢えた人々…
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「未確認動物UMAを科学する」ダニエル・ロクストンほか著、松浦俊輔訳
ヒマラヤのイエティなど、いると言われても存在が証明されていない動物を愛好し、探し、研究する「未確認動物学」を検証した科学読み物。 2008年、米国ジョージア州北部の森でビッグフットの死体を発…
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「ソニー盛田昭夫」森健二著
ソニーを世界企業に育てた共同創業者の盛田昭夫氏の経営哲学と方法論を分析しながら、同社の成功と凋落の歴史をたどる企業物語。 アップルのスティーブ・ジョブズは、盛田を崇拝してやまず、盛田亡き後は…
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「竜と流木」篠田節子著
米国人の父と日本人の母を持つジョージは、軍人だった父に連れられて休暇を過ごしたミクロネシアの小島の泉に生息する不思議な両生類「ウアブ」に魅せられる。 長じて、日本で外国語教師をしながらウアブ…
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「昭和の歌藝人」三波春夫 三波美夕紀著
「東京五輪音頭」(1963年)や万博のテーマソング「世界の国からこんにちは」(1967年)などを歌い、国民歌手と呼ばれた三波春夫の評伝。 三波春夫は大正12年、新潟県で生誕。7歳で母を亡くした…
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「日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない」湯山玲子、二村ヒトシ著
草食化が進み、童貞率は上昇、夫婦間のセックスレスも常態化した日本。著述家とAV監督がそんな日本人の変質する性意識を読み解きながら、豊かな性を楽しむための方法を論じ合った対談集。 セックスに不…