「シンマイ!」浜口倫太郎著
失業中の翔太のアパートに父親の正和が訪ねてきた。正和は、翔太に新潟に住む祖父の喜一からコメ作りを学んできて欲しいと言い出す。気乗りしない翔太だが、報酬として車のローンの肩代わりをしてくれると言われ、応じることに。
幼いときに会っただけの喜一は、無口で何を考えているのか分からない。おまけに毎朝、田んぼの見回りをするだけで何も教えてくれない。1日寝坊しただけで東京に帰るよう命じられた翔太は、やけになり保管してあったコメを炊いて食べてしまう。喜一が作ったコメを初めて食べ、その味に感動した翔太は、改めて祖父に弟子入りを志願する。「神米」を目指す新米農家たちの奮闘を描く青春農業小説。(講談社 1500円+税)