「昭和の歌藝人」三波春夫 三波美夕紀著
「東京五輪音頭」(1963年)や万博のテーマソング「世界の国からこんにちは」(1967年)などを歌い、国民歌手と呼ばれた三波春夫の評伝。
三波春夫は大正12年、新潟県で生誕。7歳で母を亡くした後、父親の借金が原因で逃げるように一家で上京。13歳から家計を助けるため働き始めるが、浪曲好きが高じ、仕事の傍ら浪曲学校に通い始める。興行師でもあった校長に100年に一度の声の持ち主と認められ17歳で座長となり巡業の舞台に立つが、客が入らず、研鑽の日々が続いたという。
戦争やシベリア抑留などを経て国民歌手となっていく姿をマネジャーとして晩年を支えた娘が、その素顔とともに伝える。(さくら舎 1500円+税)