「罪の終わり」東山彰良著

公開日: 更新日:

 2173年6月16日の小惑星衝突で文明は終焉を迎え、生き残った人類では、緊急避難として始まった食人が恒常化。自分の罪に苦しむ人々を救ったのが黒騎士と呼ばれたナサニエルだった。

 彼は飢えた人々に肉を施し、彼を狙う殺し屋たちを次々に抹殺、手をかざしただけで病気を癒やしたなど数々の伝説に包まれている。彼に殺し屋を送り込んだ白聖書派のスカウトマン・ネイサンは、母親殺しの罪で服役中だったナサニエルが死後20年経った今も、人々に救世主として崇められているのはなぜか。それを探るために彼の生い立ちを調べ始める。

 直木賞受賞後初の書き下ろし長編。受賞作とはがらりと作風が変わり、近未来を舞台に圧倒的世界観で紡がれる問題作。(新潮社 1500円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭