「日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない」湯山玲子、二村ヒトシ著
草食化が進み、童貞率は上昇、夫婦間のセックスレスも常態化した日本。著述家とAV監督がそんな日本人の変質する性意識を読み解きながら、豊かな性を楽しむための方法を論じ合った対談集。
セックスに不可欠な男の支配性や暴力性に嫌悪感を抱き始めた男性の出現など、セックスから逃走ぎみの現代人の状況を分析。一方で「本当の快楽には男性性も女性性もない。それぞれが雄性と雌性の両方を有していてそれが自在に入れ替わるというのが一番エロイではないか。セックスに可能性が残っているとしたら、それだろうと考えています」(二村氏)と、男女の役割を手放すことで得る快感など、性の奥深さと複雑さを見つめながら、大胆に語りつくす。(幻冬舎 1500円+税)