「竜と流木」篠田節子著
米国人の父と日本人の母を持つジョージは、軍人だった父に連れられて休暇を過ごしたミクロネシアの小島の泉に生息する不思議な両生類「ウアブ」に魅せられる。
長じて、日本で外国語教師をしながらウアブの研究を続けるジョージは、生息地の泉が開発されることを知り、保護するため隣島のリゾート施設の人工池にウアブを放す。一時は大量死して、保護は失敗したかに思われたが、その後、繁殖の成功が分かり、安堵する。しかし、順調に増えていたウアブが再び姿を消し始める。同時にリゾート内で猛毒トカゲによる被害が続出。ジョージはウアブを餌にしたトカゲの異常繁殖を疑う。トカゲはやがて島民らを襲い始める。
名手が描く生物パニックミステリー。(講談社 1600円+税)